アミノ酸系シャンプーから石けんシャンプーへ
- pastel_carré
- 2019年3月1日
- 読了時間: 5分
*この記事は個人的な経験の記述です。アミノ酸系洗浄剤などを否定するものではありません。
石けんを始め基礎化粧品などを手作りするようになって、「あの高い化粧品はなんだったのだろう?」と思うことがよくあるのですが、その一つがアミノ酸系のシャンプーでした。
私の場合、子供の頃はサラサラで艶のある比較的硬めの黒髪でした。それが、思春期を過ぎた頃からホルモンの変化のせいで髪質が変化したのか、乾燥気味でぱさつきやすい髪になります。髪を伸ばすと枝毛ができやすく、ロングヘアになった頃には髪の半分以上が可哀想な状態で、これじゃあ意味ないとバッサリと切る、諦めきれずにまた伸ばすという繰り返し。
髪を洗って毎回トリートメント、毛先にはケア用の製品をつけて、ある程度髪が乾いた状態になるとまあまあ良い感じなのですが、何故かそこからもう一段階水分が抜けるようで、完全に乾いた頃にはパサパサ。ロングヘアの毛先から2,3センチくらいの部分は、枝毛ならずとも折り曲げただけで木の枝のようにポッキリと折れるほど。そういう状態で、市販のシャンプーである程度気持ちの良い感じに洗ってしまうとどんどん傷んでいくので、シャンプーを始めとしたヘアケア商品選びには必死でした。
ドラッグストアや化粧雑貨店に並んでいる一番値段の高いシャンプーは大抵よく知らないメーカーの商品で、アミノ酸系とあります。私が常に使っていたのはこのアミノ酸系のシャンプーでした。一般的なシャンプーに比べると地肌のすっきり感は無いのですが、髪そのものには優しいようで、洗髪後のケア次第ではなんとか髪がまとまりやすかったように思います。それ以上はもう髪質の問題でどうにもならないと諦めていました。
美容院で相談すると「髪に色々付け過ぎるとどんどん髪が弱くなるから、きちんと洗ってあまり色々付けないほうがいいですよ」などと言われるのですが、とにかく痛むのが怖くてとてもそんなチャレンジをする勇気は無かったものです。
自分で石けんを作り始めるようになって、もともとそんなに肌には悩みの無かった私でもその良さを実感していましたが、暫くの間は髪を洗う気にはなれませんでした。「それまで髪の表面に蓄積されたものを落とすため、慣れるまでに暫らくかかる」とはよく言われていることで、「これだけ頑張ってなんとか保っているものを今更落としてしまう訳にはいかないし」とか。
それでも徐々に、「肌がこんなに健康でいられるものが髪に悪いはずが無いんじゃないか?」という気持ちに傾いてきて、やがて石けんシャンプーを決断することになります。
泡立てネット必須の石けんなので心配しましたが、髪をよく湿らせてから、生え際の地肌に石けんをたっぷりとこすりつけるようにするともくもくと十分な泡立ちでひとまず安心、洗い流すと洗顔の時と同様に泡切れが良く、あんなにモコモコにしたのが不思議なくらいすっきりと落ちていく気持ちよさを改めて実感します。まあ、しかし、やはり弱アルカリ性、髪のキシキシ感が凄い・・・大丈夫なのかこれ・・・。
教科書通り、予めハーブを漬け込んでおいた米酢にグリセリンを加えたものでリンスをすると、瞬時に髪がやわやわと変化します。少し安心。酢の香りも思ったほど気になりません。(最近では準備が面倒なので市販のコンディショナーで済ませています)
洗いあがりはすっきりと汚れが落ちた久々の、というか今まで経験したことの無い爽快感で、毛穴の一つ一つが喜んでいるような感じが感動的でした。乾いた状態の髪が劇的につやつやになるということはありませんが、まあ、こんなものかな、という感じ。乾ききる前にホホバオイルを数滴髪に伸ばしておけば広がらずに落ち着きます。心配したほどではないけれども、まあなんとか続けていく気はする程度でした。そう悪くは無さそうというのと、とにかく洗髪後の心地良さが格別で、地肌そのものが健康になるのは間違いないように思えたので、石けんシャンプーを続けてみることにしました。
数週間もすると、洗髪直後の髪の軋みがあまり気にならなくなります。肌はもともと何もしなくてもアルカリを弱酸性に整えるものなので、その力がよく働くようになってきたためだと思います。この頃にはもう普通のシャンプーに戻る気はなくなっていました。(とにかく気持ちがいい)
数ヶ月が経過し、ショートボブだった髪が肩につくかつかないかくらいに伸び始めた頃には髪の根元と毛先があまり変わりない状態になっていて、枝毛が全く無いことに気付きました。(通常は、私の場合カット後一ヶ月もすると徐々に枝毛ができ始めます)
その後、使い続けるほどに徐々に髪に艶が出始め、指通りはサラサラ、固めの髪質は変わらずより丈夫になったような気はしますが、水分を保てているようでしなやかさがあります。子供の頃の髪質に戻ったかのようで、今では美容院に行っても「髪に全くダメージが無い、ヘアケア剤いらないね」と乾かしっぱなしのまま終了です。
何も手を加えること無く、自分の地肌が持っている力だけで髪が毛先まで潤うというのは本当に気分の良いものです。欲を言えば、絹のように滑らかな柔らかい髪質になってみたいところですが、そこは人それぞれの持つ個性の問題なので仕方ありません。それでも、髪の健康を保つことで、自分のもともとの髪質そのものを好きになることができたように思います。
また、髪の状態が良くなって気付いたことは、寝不足や不規則な食事や生活、特に気持ちの苛々などがかなり髪に影響するということです。なんとなく最近髪がゴワつくということが良くあるのですが、そういう時は必ず疲れやストレスを溜め込んでいる時です。私の場合、加齢による変化はある程度ありますが、肌が荒れるということが殆どなく、髪の方は常にダメージ状態だったため、そういう変化を肌や髪で感じた経験がないので、とても驚きでした。
外から加えるどんな水分や油分よりも自分の肌から分泌されるものが最も自分の肌に合っているというのは考えてみれば当然のことです。それが自分の体や心の状態で日々変化していることを理解しながら、自分に合ったより良い髪や肌のケア方法を実践していくことが大切だと思います。

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