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  • 執筆者の写真pastel_carré

化粧石鹸の無認可製造販売について

更新日:2020年5月26日



去る2018年の12月に、当店に認可外の石けん販売について管轄の地方自治体の薬務課より調査があり、即時にお客様各位にご連絡をさせていただきました。それにつきまして、説明不足な部分があったため、ご購入についてご不安に思われたお客様がおられると思われます。遅ればせながらご説明をさせていただきます。


☆まず、販売した石けんに問題があって調査になったということではありません。また、無認可販売の石けんを購入されたお客様の立場でなんらかの罪に問われる可能性は一切ございません。


☆化粧石鹸製造販売の認可外で販売されている化粧石鹸が、認可店製造販売の化粧石鹸と比較して、安全性に問題があるということはありません

  • 認可に必要な条件は主に、「居住空間から独立した制作場所があること」など、清潔な環境を保つための設備に関する条件、そして、薬剤師の有資格者などが常勤であることです。化粧石鹸を作成するために必要な知識や技術などは認可取得の条件ではありません。無添加石鹸の作成においては、添加物を使用しませんので、薬剤などに関する専門知識を特に必要としません。(添加物を加える合成石鹸の場合には専門知識が必要になりますので、この規制そのものが合成石鹸の製造販売を前提としていると思われます)

  • コールドプロセス製法の石鹸は、化粧品認可の有無を問わず、市販品の無添加石鹸と比較してもたいへん安全性の高い石鹸です。添加物を一切使わず、油脂・水・香料・鉱物系天然色素 (青色○号などと記載される有機色素は使用しません)だけで作られています。

  • 化粧石鹸製造販売無認可の無添加石鹸により、健康被害などが出たという事例は現時点でありません。2010年に小麦アレルギーの被害が出た「茶のしずく」は化粧石鹸製造販売の認可を取得したメーカーです。アレルギーの要因となった「加水分解小麦」など、家庭での入手が困難な素材は、手作りの石鹸では使用しません。

  • 認可のための申請には作業場所の確保のための費用(改装費用または賃貸料金)や申請のための費用(約30万円)が必要となりますので、認可を取得している店舗は、それだけ本気で事業に取り組んでる店舗だという判断基準にはなると思います。設備投資などに出資せずに製造販売を行っている店舗の場合は、廃業に伴うリスクが少ないため、お客様の立場としては信頼に欠けるということはあると思います。


☆当店で化粧品販売の認可を取得しない理由について

  • 製造及び販売の認可を得て石鹸を販売する場合、一つ一つの石鹸についてそれぞれ認可を得ないと販売できません。つまり、同じレシピの石鹸でも色や香りごとの申請が必要なため、自由なデザインでの石鹸作りが困難になります。

  • コールドプロセス製法の石鹸の制作には手間と時間がかかるため、個人での製作数には限界があり、大量生産ができません。設備投資や申請費用などを投資しても、残念ながら回収の見込みはまず期待できません。

私が長々と文章を書くよりも、お客様からいただいた商品レビューの数々が全てを語ってくれています。個人販売の石けんでこんなに多くのレビューをいただくことも珍しいのではないでしょうか。ほんとうにありがとうございます。


*****


☆蛇足ではありますが、通報者の意図などについて


こういう記事をアップすると、むしろ、手作り石けんの雑貨販売を考えておられる方々の検索にかかることがあると思いますので、一応記しておこうと思います。

結論を言うと、目立たないように販売していれば薬務課の調査を受けることはまず、ありません。

地方自治体の薬務課が積極的にハンドメイドの石鹸の販売などについて調査を行うということは無いようです。第三者の通報により調査に入ります。

そして、この第三者というのは何者か、ということですが、個人的に調べられる限りで調べた結果、まず、購入されたお客様からの通報ということは考えられません。間違いなく、石鹸を作っている側の人達です。

10年以上前のことではありますが、「にちゃんねる」に「認可外販売の石鹸店を通報しましょう」という内容のスレッドを見つけたことがあります。サイトそのものの特徴ではありますが、なかなか酷い内容で、「サイト内に、当店の石鹸は台所用石けんです、と書くまで、通報し続けましょう」などなど、かなり読むに耐えない内容で、書き込みの中には「そこまでするの・・・なんだかかわいそう・・・」というものもありました。


内容の品の無さはともあれ、金銭的な投資のみならず、頭の固いお役人とのやり取りを幾度となく重ね、必死の思いで化粧石鹸の製造販売の認可を取得した方の立場からすれば、認可を得ずに販売をしている店舗の存在がおもしろくないことはよくわかります。認可外販売店を通報したくなる気持ちも、まあ、わからなくはありません。

しかしながら、そういう行動が、回り回って自らの首を締めていくということに、想像力が及んでいません。


10年ほど前までは、認可店、無認可店を問わず、手作り石けんのネットショップは今よりもずっと多くありました。最近では数も減り、開店休業状態の店舗がどんどん多くなっています。彼らが地道に通報をし続けた結果がこういう事態を招き、結果的に、もともと無かったコールドプロセス製法の石けんの知名度は既に地に落ちていると言っても過言では無いでしょう。そうした状況下にあっては、せっかく認可を取得した店舗であっても、顧客の獲得は以前よりも困難な状況になっていることだろうと思われます。


手作りの商品を買ってもらうというのはとても大変なことです。より良い商品を作り続け、なるべくお金のかからないように、色々なアイデアをひねり出しながら、自分の作品をアピールしていく、日々の努力の積み重ねです。お客様の獲得というのはそうした地道な努力の結果であって、それ以外に方法はありません。他の店舗を蹴落とすことで自分の店のお客様が増えるということはまず有り得ないでしょう。


認可を得ているのであれば、「人間に使う石けんだと受け取られるような表現をしてはいけない」などという規制はクリアしているので、通報を恐れることなく、自由に表現できます。SNSなどを駆使し、無料でできることはいくらでもあると思います。

努力が足らない人間ほど、人を蹴落とそうとするのは世の常ではありますが。努力をしない人間は、他人の影なる努力を想像することができません。「同じことをやっているに違いないのに、なんだかいい思いをしていそうな人間がいる」という妄想を膨らませます。

もとより私はたいして良い思いなどはしていません。月に作れる石けんがせいぜい5~6種類、これを全て売り切ったとしても、たいした利益にはなりません。それでも、できる限りの地道な努力を積み重ねて、なんとか続けてきました。


ごく一部のこういう方々は「販売せずに石鹸教室をやるべき」というご意見を述べられるようです。しかしながら、石けんをひとり黙々と作ってお客様に購入してもらうことと、お教室で生徒さんたちと楽しく石けん作りに取り組むことは、全く別のことです。私の場合は、色々と考えてはみたものの、お教室の経営に関しては興味がありません。そうした個人の趣向についても、第三者が介入すべきことでは無いと思います。


最後に、最も通報されるリスクとなる行為について記しておきます。

店舗の存在自体が目立たなければ、ある程度、化粧石鹸として商品説明などを書いても通報されることはありません。しかし、これではお客様の目にもつきません。

「手作り石けんランキング」のようなランキングサイトが何種類かありますが、そうしたサイトに登録して上位表示になると、一日数件のお客様の訪問が見込めます。検索順位も上がってくるようです。地道に毎日数回、自分でクリックするだけで、上位に表示されるようになります。

私の推測ではありますが、ここで、決して一位にならないことが肝心です。私の場合、2回の通報を受けましたが、どちらも、ランキングサイトで一位表示になったタイミングだったので、ちょっと偶然とは考えにくいと思います。2位以下をキープするように気をつけてください。


ソーパーの皆様には、個人での楽しみとして石けんを作るにしても、認可を得て販売する道を選ぶにしても、認可外での販売を選ぶにしても、石鹸教室を開催するにしても、それぞれが自分に合った手段で、楽しみながら良い石けんを作り続けて欲しいと願っております。


*****


海外では、化粧石鹸の製造販売について自由な国が多くあります。この写真のような光景を海外旅行などで目にされたことのある方もいるのではないでしょうか。羨ましい限りであります。日本の薬事法下では、家庭で手作りされた石鹸は他人にプレゼントしても違法です。


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